聴こえなくてよかったこと〜聴覚障害の意外な強み〜

聴こえなくてよかったこと〜聴覚障害の意外な強み〜

私は生まれつき耳が聴こえません。両耳とも感音性難聴という障がいがあります。

4歳のときに右耳に人工内耳を装用する手術をし、今に至っています。

この記事を書きたいと思った理由があります。

今まで耳が聴こえなくて大変なことも当然ありましたが、良かったことも多くあります。

そのことを実際に言葉にしたり文章にしたりする機会が今までなかったと感じたからです。

結婚して親元から離れたこともあり、親に今まで支えてもらった感謝の気持ちも込めて今、

この記事を書いてみようと思いました。

聴こえなくて良かったこと

 

雑音などが聴こえない

外した人工内耳

人工内耳を外せば、全く何も音が聴こえない状態になります。

そのため、例えば夜中に鳴る雷や風の音は全く聴こえないのでよく眠ることができます。

(寝る時とお風呂に入るときは人工内耳を外して寝ているため)

家族と一緒に暮らしていた時、夜中に台風がきていて、親が「風が強くて怖くてなかなか眠れなかった」と言っていたので、それほど風が強かったんだとよく思っていました。

もちろん夜中に、例え緊急速報や放送が聴こえなくて危ない・・こともありますが、

基本的には夜は無音の状態で音を気にせずに眠ることができるので、その点は良かったと感じています。

集中ができる

耳栓をつけて勉強をしている女性

上記の内容と少し重なりますが、集中したいと思ったときは私は耳栓が要りません

そのため、学生時代のときはよく人工内耳の電源を一旦OFFにして、集中モードに切り替えていました。

例えば図書館は基本的に一人なので他に声をかけられる人もいないので、

安心して人工内耳の電源をOFFにしていました。

また、学生時代のときは、自分の部屋よりも、親もいるリビングで勉強をすることが多かったので、

人工内耳の電源をOFFにする時は前もって、親に一言伝えるようにしていました。

いつでも自分の無音の世界に飛び込め、集中することができるので、良かったと感じています。

聴こえない方も含めて障がいのある仲間・良い先生に出会えた

前回の記事、「私が手話に出会って変わったこと」の記事内でも書きましたが、

同じ聴こえない友達や、他の障がいがある方、良い先生に巡り会えたことは一生の財産になると思いました。

もしも私が聴こえていたら、一生聴覚障がいのことについて考えることがなかったかもしれません。

聴覚障がいということを知っていても、他人事のように考えてしまっていたのかもしれません。

コロナ禍の影響で人々に出会う機会がかなり減ってしまいましたが、

今はSNSで簡単に繋がることができる時代になっているので、

これからも色々な人々に出会うことができたらと思っています。

また、最近は凸凹フレンズの仲間に出会うことができたので、本当に感謝しています。

自分の事も含めて人に話す機会ができた

もしも自分が聴こえていたら、誰かに自己紹介する時も簡単に終えていたのかもしれません。

元々私は趣味や得意なことが昔からあまりなかったので、自己紹介をするのは昔から苦手でした。

ですが、耳が聴こえないことを話す機会もあり、自己紹介をする内容ができるので、

自分のことを話すことができるのはラッキーだと思うようになりました。

手話に出会えた

これも、前回の記事「私が手話に出会って変わったこと」と内容が重なりますが、

聴こえないことで手話に興味を持ち、手話を覚えることができました。

聴こえていたら「手話」という存在を知っているのみで、聴こえない方に出会わない限り、手話を覚えることはなかったかもしれません。

手話を通して多くの人々と出会うことができ、私自身にとっても大きく成長させてくれました。

結婚ができた

婚姻届を提出するカップル

昨年、結婚をしました。正直、耳が聴こえないので、恋ができたとしても、結婚は難しいと思っていました。

ですが、今の旦那と初めて出会ったのは、難聴の方々が集まる交流の場でした。

そこの出会いから今に至ります。

聴こえないからという理由に直接結びつかないかもしれませんが、同じ障がいがある仲間の場にて良い出会いができたおかげで結婚ができたので、とても感謝しています。

おわりに

自分が聴こえなくて良かったことについてまとめました。

この記事のタイトルをみて驚かれた方もいたかもしれません。

耳が聴こえなくて大変だったこと、「聴こえていたら良かったのに」と思うことも今まで当然沢山ありますが、

耳が聴こえなくて良かったことにも目を向けることで、考え方も生き方も楽になりますし、

今後も何があったとしても、前向きにとらえることができると思いました。

この記事が皆様にとっても何か考えのきっかけになってもらえたら嬉しいです。