「人工内耳を見せる」ようになるまでのこと
- 2025.05.07
- 凸凹のつぶやき
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「人工内耳を見せる」ようになるまでのこと
こんにちは、まーりーです。
今日は、私が人工内耳を人前で見せられるようになるまでの気持ちの変化について、綴ってみたいと思います。
小さい頃から使っている、右耳の人工内耳
私は右耳に人工内耳を装用しています。
装用を始めたのは、4歳のとき。
もう長い付き合いです。
人工内耳のカバーの色は「黒」。
当時は特にこだわりもなく、定番の黒を選びました。
でも――
社会人になる前後まで、ずっと人工内耳を人に見せることに抵抗がありました。
恥ずかしくて、髪の毛で隠していた日々
人に人工内耳を見せるのが、すごく恥ずかしかった。
「つけてることがバレたくない」
「私はみんなと違うんだって、認めたくない」
そんな気持ちから、コイル(人工内耳の外部パーツ)を髪の毛の下につけて、隠すようにしていました。
でも、髪の毛で隠していると、
手術した部分がヒリヒリと痛むこともあって、
本当はそれもしんどかったんです。
コロナ禍と妊娠期、ふたつのきっかけが重なって
妊娠中は特に、手術した部分がヒリヒリと痛むことが多くなり、
それもあって、思い切って髪の毛の上に人工内耳をつけるようにしました。
物理的な痛みが少し軽くなったことは、私にとって大きな変化でした。
ちょうどその頃、コロナ禍でマスクをつける人が増えたことも重なり、
「人工内耳が見えていれば、口元を見せてくれるかもしれない」
という思いもあって、堂々と見せるようになったのです。
結果的に、痛みも減って、気持ちもすごく楽になりました。
見せることに慣れるまでは勇気がいったけど、
今では「これが私」と思えるようになってきています。
誤解されるかもしれない
私は話すことができます。
でもそれゆえに、
「人工内耳をつけているなら全部聞こえるでしょ?」と思われるかもしれない――
そう感じて、いつも不安を抱えていました。
実際には、音の方向が分かりづらかったり、
雑音が重なると聞き取れなかったりすることもあります。
人工内耳が見えていれば、
「この人には配慮が必要かもしれない」と気づいてもらえることもある。
見せることは、私にとって“伝えること”でもあるのかなって、今は思います。
黒を選んだことを、少しだけ悔やんでいる
当時は深く考えずに選んだ黒い人工内耳。
今になって、明るい色にすればよかったなと思うこともあります。
もしこの先、人工内耳を新しくするタイミングがあったら、
今度は明るめの色を選んでみたい。
自分らしい色を、選びたいです。
母の手作りカバーは、私のお守り
人工内耳のことを母に相談したとき、
母は手作りのカバーを作ってくれました。
職場用、プライベート用――
少しだけ色や素材を変えて、何種類か作ってくれて。
今では、そのカバーは私の心のお守りです。
仕事や病院に行くときも、それをつけていると、少しだけ心が落ち着きます。
人工内耳は、私の一部
人工内耳は、これからもずっと付き合っていくもの。
でもだからこそ、
せっかくなら、少しでも楽しく、前向きに付き合っていきたい。
見せることは、勇気のいることかもしれない。
でも、「隠さなくてもいいんだ」と思えるようになった今の自分を、私はちょっと誇らしく思っています。
読んでくださって、ありがとうございました。
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