失ってから始めて得られたもの〜覚醒剤使用が呼ぶ厳しい現実〜

失ってから始めて得られたもの〜覚醒剤使用が呼ぶ厳しい現実〜

今回の記事を書くのは、

発達障害(ASD・ADHD)のみったんです。

凸凹フレンズ創設者であり、歌うことが好きなExcel講師です。

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みったん

ペンギンさん

 

本日は、覚せい剤使用歴のあるペンギンさんにインタビューをしました。

現在は更生されて、うつ病と戦いながら人生を歩んでいます。

小学校の頃のペンギンさん

 

ご両親の仕事の関係で、小学校を3回も転校したペンギンさんは学校になじめずに孤独な日々を過ごしていました。

当時小学生だったペンギンさんは、友達からのひどい言葉を真に受けてしまい自己肯定感がどんどん下がっていきました。

大学受験に向けて猛勉強

 

自己肯定感が低かったペンギンさんは親に褒められたい一心で受験勉強を必死に頑張りました。

当時のペンギンさんが親に対して抱いていたのは、親は自分を一流大学や一流企業に入れることで自慢の息子だと誇りにしたい。親にとって自分はそんな駒やアクセサリーのような存在なのだろうという悲しい感情でした。

常に頑張らなければ自分は認められないと思い込みながら、頑張る毎日でした。

その結果、ペンギンさんは超一流大学出身者となりました。

恋愛で失敗した経験

 

ペンギンさんは、中学高校と男子高校出身だったので恋愛経験が全くなかったそうです。

その後、大学に入学した際にとある女の子から告白されました。

「やっと自分にも彼女ができる」と嬉しくなったペンギンさんはその場で告白に対してOKをしたそうです。

しかし、もともと考え込みすぎやすい特性があるペンギンさんは、3日間に渡りデートプランや女性との付き合い方について考えました。

考え込みすぎた結果、頭が混乱しすぎてしまい女性に対して「あの話はなかったことにしてくれ」と告げてしまいました。

すると、女性は傷つき泣きながら走り去ってしまいました。

ペンギンさんはそれをみて、辛い気持ちになり深く傷ついたと同時に女性の扱いは難しいものだと思い、恋愛に消極的になってしまいました。

社会人になって

 

大学を卒業し、就職したペンギンさんは16年間にもわたり、一生懸命に働いていました。

しかし、相変わらず自己肯定感は低く女性に対する苦手意識も持ち続けていました。

何の変化もなく、ただただ働く毎日を過ごしていたペンギンさんは社会生活に面白みを感じることができずにいました。

そして、「自分は何のために生きているんだろう」と思うようになりました。

ドラッグへの憧れ

 

精神を病んでしまったペンギンさんは生きるのが嫌になり、「どうなってもいいや」と思うようになりました。

危険ドラッグや脱法ハーブが魅力的に描かれているドラマや漫画をみて、ペンギンさんはドラッグに憧れを抱くようになりました。

そして、違法行為にならないのであれば、一度くらいは試してみたいと心の中で考えるようになりました。

2014年池袋危険ドラッグ事件を経て

 

2014年に池袋で起きた危険ドラッグを使用した乗用車が8人の死傷者を出してしまう事件が起き、このままいくと危険ドラッグの取り締まりが厳しくなるであろうとペンギンさんは推測しました。

法に触れずに危険ドラッグを使用できるのは今しかないと考え、ついに手を出してしまいました。

危険ドラッグを使用している間は、自分の自己肯定感があがり幸福感に浸ることが出来ました。薬が効いている間だけは生きていてよかったと思うことが出来たそうです。

ついに手を出した覚せい剤

 

それもつかの間、国は危険ドラッグの取り締まりに厳しくなったためペンギンさんが使用していた危険ドラッグは違法となり買えるところがなくなりました。

薬が効いている間の快感が忘れられなかったペンギンさんは、そのまま抵抗なく覚せい剤に手を出すことになってしまったのです。

何もかも失った

 

薬の購入先の密売人が逮捕され、ペンギンさんは警察に逮捕されることになりました。

会社にも覚せい剤の使用が発覚し、強制解雇となりました。

ペンギンさんは覚せい剤の罪のために長い間苦しむことになり、厚生施設に通うことになりました。

すべて失って初めて気づいたこと

 

ペンギンさんは厚生施設を卒業し、現在はうつ病と戦いながら生活しています。

しかし、ペンギンさんはすべて失ってから初めて気づいたことがあるそうです。

最近までは犯罪を犯した自分が嫌いで仕方なく親に顔向けもできなかったそうですが、最近になって親にあることを言われたそうです。

それは、「私はあんたの世話を焼けて幸せだわ」という言葉でした。その意味をゆっくりと噛み締めたところ、「自分はただ生きているだけでこのままで愛されているんだ、愛されていたんだ」と分かりペンギンさんは涙が止まらなかったそうです。

「親はずっとずっと自分の味方だったんだ」と感じ、自分を大切にしようと心から感じたそうです。

ペンギンさんが言っていた言葉で印象に残ったのは、「生まれた時から100%の悪人はいない」ということです。

 

これを聞いて私は、より一層生きづらさを抱えて過ごしている人を助けたいと思うようになりました。助け合いの心は犯罪を減らすのではないかと考えます。

どのような流れで覚せい剤に手を出すことになるのか、手を出してしまったらどのような人生を歩むようになるのかについて勉強になりました。

インタビューに答えていただいたペンギンさん、本当にありがとうございました。